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2013年2月・オンナ2人で冬山雪洞泊・5

オオカミ少年が来たー、オオカミ少年が来たーー!

あ違った、もおすけだった。
と、このフレーズを今後、私の人生で何度使うことになるのか。
の、もおすけです。皆様おぱようございます。

ええ、ええ。

ホントは一昨日、頑張って更新するつもりだったんですよ。でも、連日睡眠時間を削っての仕事や、写真加工やらその他もろもろ。最近、全てがオーバーフロー気味だと感じるこの頃。

でも、山だけは辞められない。
でも、ブログだけは続けなければ。
そんな疲れてヘロヘロもおすけが送る、オンナ二人で冬山一泊・5でございます。

オンナ二人で冬山一泊・5

2013年 2月12日 雪

テント場の風は弱かった。
が、その弱さも稜線でないが故のものであると知っている私達は、気を引き締めて上を目指す。
まだ穏やかな天気だった、朝の風景のさっちゃん。

20130210_オンナ二人で頑張りましょ。

当然、なのかも知れないが登山者はゼロだった。ゲレンデとは別世界、人けは全くない山。
視界は悪いが、先が見えない程ではない。行けないわけではない。
ただなだらかな雪面では、帰りに迷いやすく方向を見失いそうになるので いつも以上に振り返って下った時の景色を見つつ、先に進む。

段々荒々しい天気になってきました。
何故に私、こんなにアップなの?さっちゃん。

20130210_1上も下も切れてるし。

ひたすら二人、無言で登る。
すると風と雪の中、肩の小屋口が見えた。ここで小休止。
寒いと言うさっちゃんに白湯を渡し、アミノバイタルを飲んでもらう。

ここでコンパスをしっかりと山頂に合わせる。この先の視界はもっと悪そうだ。
標高2786m。
幸いなのは、視界が悪くとも頂上までは一直線。道が曲がりくねっていたら、辺りの景色が見えない雪の中では、どこでコンパスの向きを変えて曲がるべきか私にはわからない。
何度も位置と地図を確認をして、再出発。

風雪が強くなってきた。
話しても聞こえないので、無言で歩く。
ただ時折振り返って、さっちゃんの様子を伺う。
少し眠いと言うのが低体温症の症状なのか、ただの睡眠不足なのか心配になる。
でも本人は意識もしっかりしているし、大丈夫と言っているのでおそらく後者だろう。
ただ、前者であれば本人の自覚症状は極めて遅く、気づいた時には手遅れとなる。
この雪の中、私はさっちゃんをおぶって下山できる力はない。
そんな意識から、今までにない位パートナーを振り返り見ながら先に進んだ。
夏にはここまで登るであろうバス停の看板や、乗鞍岳の大きな案内板の上部だけが
降り積もった雪の上から顔を覗かせる。
改めて、こんなところまでバスで上がれるのか、と驚いた。
夏道だったらこんな楽な百名山ないだろうな。

そこからは傾斜が急になる。しんどさも怖さもないが、とにかく視界が悪い。
グレー一色だ。そして登れば登るほど、風が強くなってきた。
乗鞍のパトロールをしているKさんが、

K:『乗鞍は風が強いよ。毎日居る俺達だって頂上まで上がれるような無風の日は、1シーズンに10日あるか無いかだから。』

と言う台詞に納得する。ここは風が強い。
登れない傾斜ではない。体力も時間もある。でも、風だけならまだしも、雪の降りも強くなってきた。
登りはいいが、この風で雪が強くなっての下りは危険かもしれない。さっちゃんの耳元に大声で話しかける。

下山決定だ。
標高3000m届かず。

見上げても見えぬ山頂を仰ぎ見て、下山し始めた二人でした。

<続く>

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