忙しい。
師匠が走る月でもないのに忙しい。
あ、忙しすぎてご挨拶をするのを忘れていました。
皆様こんにちにゃ、おさるのもおすけでございます。
連休が珍しく4回もあった5月は、雨で山行があまり出来なかったのに、
7日しかない6月の休日は9割が山へ(つまりしんどい)。
そして7月も休日は今日以外、全て予定が埋まっている。
『少しは体を休めたら。』と、周囲に言われるも、誘いがあるのだから仕方ない。
昨日もバテて早々に寝ていたら、知らぬ間に山の誘いのメールがてんこ盛り。
嗚呼、裁けない。
一緒に山に行きたい人が、たっくさん居過ぎて休日が足りない。
そして本日は溜まった用事で大忙しのもおすけですが、まずはその一つ。
硫黄岳の山行報告。
その3です。
【おさるのもおすけ日記】2014年4月の硫黄岳3
2014 4 10 快晴
晴れオンナ二人の朝は、快晴で。
いわずもがなテンションも上がる。
初の雪山は偶然か、弟・こうちゃんと同じ硫黄岳。
さあ、行きますか。
念のため、ヘルメットをつけてもらって今日はピッケル持ってゆっくりと。
転ばないよう、そして万が一の為の滑落に対する初動停止の仕方などを教えて、いざ出発。
途中、ジュンちゃんが『もおすけさん、ハートの雪形がある!ほら。』って言うから
言われるままにカメラを向けましたが、その時は全くわからず。
後でうちに帰ってPCで見て、初めて位置と形を確認しました。
樹林帯の中から仰ぎ見る青空とか、朝日に輝く雪面の白さとか。
ジュンちゃん、いろんな事に感激してはゴキゲンです。
そしてもちろん話は、弟・もぐおの事とか。
ジ:『あー、でも私がヘルメットとか借りたとか知ったら、またうるさいだろうなぁ。』
も:『えー、そんな事でいちいち文句言うの?』
ジ:『言う言う、うるさいもーん。“勝手に僕の使ってー。”とか。』
も:『大丈夫よ、ジュンちゃん。私がそんなこと言わせないから。』
ええ、もぐさん、何か不服でも?
二人でケタケタ笑っては、ゆっくりと高度を上げていく。
そして一番の急登。
そんなところで、なんと私はカメラを落としてしまった。
あ。
瞬時の出来事に、二人とも動けず。
ゆっくりと滑り出したカメラは、どんどん加速していきながら、
そしてスキーの大回転の選手が如く、軽い雪コブでふッとジャンプして、視界から消えた。
・・・・・。
買ってまだ半年しか経っていない。
・・・・・ちょっと取りに行って来る。
心配するジュンちゃんを置いて、登山道を外れ、踏み跡なき雪面をツボ足で下りていく。
ヴァリエーション経験しててよかったー、と思いながら。
でも50mも降りただろうか、雪面を滑るカメラはそれ以上に下りていったようで。
諦めた。
なのでここからは、携帯のカメラのみ(この日、ジュンちゃんのカメラも調子悪くて動かず)。
稜線近く、青空も近くなってきた。
うんうん、天気で言ったらこうちゃんが登った時より、今日の方がずっといいね。
そしていよいよ、標高は森林限界を越え。
更にゆっくりと、慎重に歩くように伝えて登って行きます。
初めての雪の高山の景色に、ジュンちゃんもちょっとビクつきながら。
でも感激しながら。
うん、でもよそ見すると危険だから、山頂までは足元だけ見て慎重にね。
素直なジュンちゃんは、きちんと足元だけ見てゆっくりと歩を進め。
無事に登頂。
標高2790m・硫黄岳山頂です。
あの時はこんな天気だった山頂も、
懐かしの弟・もぐたん初登頂。
今日はこのお天気。
あの時と同じポーズで。
こんな日は、どこを撮っても絵になるもの。
主峰・赤岳をバックに、ジュンちゃんゴキゲンポーズ。
雪景色、サイコーね!
うん。
一杯雪山登っている私でも、今日の景色はとっても嬉しい。
そんな私をジュンちゃんが撮ってくれていました。
この一言に尽きる。
こんな日の景色は、何枚あっても嬉しいもの。
カメラ目線で。
この日は不思議な事に、これまで見たこともない数の飛行機雲が。
その数、優に20本は超えていました。
ジュンちゃんとその度に驚嘆、感動。
大きなV字が出来た時には、二人して感動。
ジ:『私ね、単純だから美味しいもの食べたりとか、綺麗な景色を見れたりだとか、
それだけでああ幸せって簡単に思っちゃうんですよ。』
も:『ああ わかるわかる。小さなことでも すっごく幸せー って思えるよねー。』
不思議な事に、こうちゃんよりもジュンちゃんと私はすごく似てる。
ジュンちゃんもそう感じたのか、
ジ:『こーじが、もおすけさんに懐くのがわかる気がする。』
って。
そうなの?もぐたん。
チミのお姉ちゃんと私が似ているから、ワンコのようにしっぽを振って来るのか?
閑話休題。
山頂で写真を撮って、おやつを食べて、大満足したので降り始めましょう。
登りより、下りを慎重にね。
流石にジュンちゃん、くだりは少し怖かったようですが。
言われた事を忠実に守って、きちんと安全な足取りのジュンちゃん。
こういう素直な子は、一番伸びます。
終始ゴキゲンなジュンちゃん、写真にもそれが表れているわね。
うん、だからジュンちゃんも連れて来たかったの。
そしてプチ事件は再び起こって。
—–
樹林帯に入って、一安心で来た道を戻る。
途中、あのカメラを落としてしまった急登。
先に降りていく私。
も:『ジュンちゃんごめん、先にちょっと降りてもう一回だけカメラ探してもいい?』
ほんの少しだけ先に降りて、件の場所を覗き込む。
最後、フッとジャンプして加速度上げてスッと消えていったカメラ。
あんなに降りて探したから、やっぱりないだろうなぁ・・・
と思いながら、覗き込む。
すると、一番手前の木のツリーホールの中に。
キラッと小さく光る、硬度感のあるものの角っこが。
とっさに降りて腕を伸ばしたい衝動を抑え、静かにピッケルの刃先を輪っかに引っ掛け。
釣り上げる。
も:『・・・・・ジュンちゃーーん、あったーーーー!!』
ジ:『ウソーー!ホントに?すごいすごーーい!!』
本当に奇跡だと思いました。
二人してあんまり嬉しかったので、手元に戻ってきた雪が付いたままのカメラでパチリ。
灯台下暗し。
ジュンちゃんも撮ったげるー、と言ったら照れてましたが。
いやでも二人して 奇跡だ、とびっくりして喜んで。
更にテンション上がってゴキゲンで下って行ったのでした。
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