丹沢のチャンプ。
真冬でも短パン姿で、大荷物を歩荷する姿は有名です。
このチャンプこと畠山さん。
サラリーマン時代は、通勤前に丹沢に30~40kgを歩荷してから
出勤していたこともあるとか。
すごい。
でも、実はもう一人おんなじ人がいるのです。
それがさぶちゃん。
同じ山岳会の人がいる丹沢の山小屋に、ボランティアで歩荷すること月二回。
でも、大事な休日を歩荷で終わらせてしまっては勿体ない。
さ:「だってさ、休日は自分の登りたい山に行きたいじゃん?」
と。
そこでさぶちゃん。
なら出勤前に届けりゃいいじゃん、と夜中2時半に起きて歩荷すること月二回。
それは雪降る冬でも変わらず。
もちろんチャンプと同じことやってたなんて、本人も私達も知りませんでした。
さ:「こないだなんてさ、机運んだんだよ。足が折れないヤツだから、こんななってさ。」
と、横歩きを見せるさぶちゃん。
当然、元祖チャンプにも歩荷中に会うらしく。
さ:「お?何だお前もか、って感じで見られるんだよねー。」
って、話してくれます。
チャンプと同じ出勤前歩荷をやってる、と知ったもおすけ。
も:「凄いじゃん、チャンプと一緒だよ?さぶちゃんも4500回とかやってよ。」
さ:「やらねーよ。だってオレ、回数とか数えてないし。」
も:「じゃあもおすけが数えといてあげる!今まで何回くらい運んだ?」
さ:「さあ。20回位じゃね?」
も:「じゃあ行ったら教えてよね。さぶちゃんてば、ちびチャンプだね!」
何じゃそりゃ、って感じで相変わらず全てのことに執着がない
さぶちゃんですがやっぱりこの人、すごいです。
もおすけは大きく間違えました。
こんなちびチャンプのさぶちゃんが行ったルートを、真似している事を。
北アルプス大縦走、南アルプス大縦走 も日程こそ一日多いけれど
同じルートを行きました。
でも今回のルートは、さぶちゃんは焼岳~ジャンダルム~奥穂から
後は同じで10日間。
あの大荷物でジャン越えでトータル10日って。
さすがに30kg超でジャン越えする人を真似ていはいけない、
私まだジャン行ったことないし。
で、せめてもと上高地~岳沢~奥穂に譲りましたが、後は同じで12日間。
去年、南も頑張れたから危険地帯抜けられれば行けるやろー、と
思っていましたが、ちびチャンプの真似っ子をした自分に深く後悔。
こてんぱんに思い知らされた烏帽子から先。
えぐい5日目の報告・続きです。
【もおすけ日記・女ソロでテン泊大縦走2015年8月7日】上高地~日本海・親不知まで8・烏帽子~船窪&身を守るホイッスル
2015年8月6日 5日目 晴れ時々くもり
烏帽子岳を過ぎて、静かな朝の山を歩く。
この時間はまだ涼しい。
コースタイムより少しショートで9座目の南沢岳に到着。
ザックを下ろして小休止。
南沢岳2625.3m。
今日もいい天気だね、先生。
うん、そうだねもおすけ。
駄菓子菓子。
だがしかし。
こっから先の道がえぐかった。
崩壊しかけた稜線や、樹林の中を入ったり出たり、
道も狭く小さなアップダウンの繰り返し。
樹林帯の中は鬱蒼としてるし、人の往来なんて殆どないから
怖がりもおすけは、ビクつく始末。
そしてハプニングは起きる。
不動岳の最低鞍部の手前だったかな。
花崗岩?が砂状になっている急傾斜。
え?ここを降りるの?と思ったが、少し砂がめくれ
濡れている部分が出ていた。
前を行く大学生パーティが行ったのかな、
その先(下方)に道もあるし。
それにしても急だけど・・・と思いつつ、
岩を掴んで降り始めると。
蟻地獄が如く、地面ごとずり落ち始めました。
しかも、持ってる岩ごと!
「しまった、間違えたッ!」と瞬時に思うが、後の祭り。
地面の砂ごと落ちるので止まらない。
ゆっくりのスピードでしたが、横向きで一回転しながら4~5m落ちました。
その先にハイマツがあったので、そのまま滑落の心配はない場所でしたが
完全なる自分のミス。
止まって上を見上げれば、右側に迂回する道がちゃんとあった。
初歩的ミスだわ。
情けなく思う。
ここ回転ました。
雪のシリセードのような感じでズルズルと落ちましたが、
それでもやっぱり止まらない。
もっと切れてる崖だったら、安易に降り始めずに
周囲を見渡して道を探したであろう。
行けそうだから行ってしまう。
一番道迷いしやすいパターンだな、と反省。
砂まみれになった自分とザックを起こして
再び登山道を歩く。
10座目の不動岳を越えてから振り返る。
危ない危ない。
不動沢側は切れ落ちてます(こっち側に落ちた)。
この後、10座目の不動岳登頂。
落ちた動揺&しんどさで記憶なし。
道はエグすぎて写真なし。
とにかくしんどいです。
そして本日のロールプレイングゲーム、次なる障害は。
おさる。
すれ違った登山者から「あっちにサルがいるから気をつけてね。」と
言われていたが、本当にチイチイ声がする。
おさるは賢いし凶暴で、噛まれたりするから
目を合わせない方がいいらしい。
気をつけて、と言われても一人でどうすりゃいいんだ?
とか思いながら登りつつ、前を見上げると。
・・・・・。
目が合っちゃった。
おさるちゃんに。
あ。
しまったどうしよう。
とは後の祭りパートⅡ。
登山道の際に居られちゃあ、笛吹くしかないよね。
小さめにピーーーーッ。
キキキッとおさるの群れは逃げていくので、すかさずダッシュ。
ぜえぜえぜえ。
ごめんねもおすけもおさるだから通してねー、と
本当に心で念じながら急ぎ足。
ぜえぜえぜえ。
ほんとしんどいよこの道。
勘弁してよと思ったら、みたび障害。
今度は何よ?
それは急斜を降りていると、鼻を突くケモノ臭。
ハッ、と止まり耳を澄ます。
物音はしないけれど、これまで嗅いだことのない程の強い臭い。
これって熊ッ!!
それを証明するかのように、足元には熊のフン。
すぐそこの茂みに居るよ?ってくらい強かった。
笛を吹いて、とにかく走る。
ゼエゼエゼエ。
ゼエゼエゼエ。
前を歩いていた大学生3人パーティに、必死で追いつく。
もうロープのとこなんか、雑極まりない降り方ですが仕方ない。
必死に追いついて、
「さっきのとこ、めっちゃクマの匂いしましたよねッ。」って言ったら、
ああそうですよねフンもあったし、みたいにクールな三人。
パーティだから?
熊に遭ったことないから?
男子だから?
若いから?
なんで怖くないのよー、と思いつつも
前に彼らが居てくれたことに深く感謝。
このあと30分くらい呼吸が戻らなかったけど、
もうここからはなるべく引き離されないように必死です。
大学生のパーティに46才オンナが一人。
そりゃもう皆さん大変ですよ。
若さが違いますから。
でも、こんな狭くて急で切れてるこんなとこで、クマになんて会いたくない。
必死です。
こんなトコも渡って、
風強かったらヤだろうなー(左側絶壁)。
やったー着いたー、と思ったら船窪岳第2ピークだし。
暑いし、ひなただと虫多いし、アップダウン相変わらずあるし。
もーやだよーーー
ここを13時間なんて絶対無理だよー、さぶちゃんはすごいよ。
てか、なんでさぶちゃんの真似っ子なんてしたんだ?アタシ。
そもそもバカ体力のさぶちゃんと、8歳も年上オンナのもおすけが
同じコース行くなんて無謀じゃん。
馬鹿だーあたし。
やるまで全然気が付かなかったー。
しかもこの春から殆ど登ってないし(アタシ的には)体も出来てなかったのに。
縦走始めるまで全く気が付かなかったこのワタクシを、自分でもバカだと思う。
そんなこと考えながら
もーどーでもいーよー早く着いてよーーーーと思いながら、
登ったり下ったり。
11座目の船窪岳を越えても、道はまだまだ続いているし、
大学生さんとも、追いついたり離れたり。
そしてようやく船窪小屋のテント場に到着。
ないですないです、このまま針ノ木まで行くなんて。
ありえませんよ。
コースタイム通りの7時間でPM12:00着。
ここから更に6時間は体力的にも精神的にも(色々ありすぎ)
そして天候的にも厳しいだろう。
ザックを下ろしテントを張って、とにかく横になる。
だるいー
暑いー
怖かったーー
疲れたーーーー。
先に進むか悩む大学生さんは小屋まで歩き、
私はそそくさと転がっておりましたとさ。
<続く>
ホイッスルは常に身に付けています
あんまり見かけないのですが。
笛は首に下げていた方がいいかと思います。
ネックレスのように下げてしまうと、滑落時に笛の紐が何かに引っかかると
自分の首を絞めてしまうことになる、と教えて頂いたので
もおすけは長さを調節できるようにして、片方の腕を通す
斜めがけをしています。
もおすけが愛用している笛は、ハイマウントのイーコール。
こちらの笛は、人の耳に強調されて大きく聞こえる3,000ヘルツの音が出やすく、
安定的に音が出る構造になっています。
最大700mの範囲まで聞こえる、というので買いましたが
確かにこの大きさにしては、大きな音が出ます。
そして高音。遠くまで響きます。
ご自分は勿論のこと、お子様と一緒に行かれる親御さんは
特にこの笛を、お子様に斜めがけして身につける習慣を
覚えてもらうことをお勧めします。
クマって怖いよ。
もおすけでした。
明け方早起きして更新しているおバカだけど努力家のもおすけに
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