前回の荒れた山域の写真。
何もこれは登山道から横を見て撮った写真じゃあ御座いません。
これから進む前方の風景なのです。
皆様こんばんにゃ、おさるのもおすけでございます。
ね?すごいでしょ。
ミナミをナメンなよ、と言わんばかり。
ええ、なめませんとも。
ミナミはひとっ子一人いなくって、寂しくっておっかないトコロです。
とまでは言いませんが、色々イロイロあります。
少しづつお話していきましょう。
そんな滅多打ちにあった仙塩尾根の続き、から。
はじまりはじまり。
【もおすけ日記】2014南アルプス大縦走・6 仙塩尾根~熊の平小屋
2014 8 7 晴れのち曇り
せっかく開けた稜線に出ても、山頂まではまだまだまだ。
ここまでで既に7時間も登っているというのに。
まだ着かない。
出発の仙丈小屋から本日のメイン・三峰岳山頂を越えて幕営地・熊の平小屋まで
水場は一切なし。
これだけ長いというのに。
つまり、この日も水3L強&アクエリアス350mlを担いでいる。
食料が減っても、全然軽くなっている気がしないのはナゼダロウ。
と、そんなことも考えられない位に、あーもー長いよーとか思いながら延々と登る。
お、さっきよりはちょっとは近づいた?
あのですねぇ、ここ、本当にしんどいです。
バカ尾根なんて失礼な名前が付けられちゃう訳も、わかるような気がします。
真夏のどピーカンだったら、あっついだろうなぁ。
水も3L飲み干してしまいそうです。
幸い薄曇りだったので、水の心配はなく登れましたがまあしんどい。
なんでここが有名じゃないのか、不思議に思いました。
笠新道から笠ヶ岳(ここも途中に小屋&水場が一切ない)と寸分違わずしんどいと思うんですけど。
私の荷物が10日間分だからか?
ここをルートに入れるまで、三峰岳も仙塩尾根も両単語すら聞いた事なかったよ!?
とか思いながら、でやーーーッと自分に気合入れて登るワタクシ。
がむばりました。
PM13:33、8つめの山頂・三峰岳(みぶだけ)登頂です。
山頂には誰もいなかったので、セルフタイマーで記念撮影。
セルフタイマーをセットして・・・
急げ!
まあ正直、自分の写真なんてどうでもいいんですよ。
絶景といえば、この方でしょう。
先生、ご登場下さいっ!
うん、ここからは最高の景色だねー先生。
なんて美しい稜線だ。
そう。
登りきったここ三峰岳山頂からは、北岳・間ノ岳・農鳥岳が一望できて、
その足元からは、間ノ岳へと稜線が繋がっている。
最高の場所にある山なのだ。
しかも標高2999m。
あの剣岳と同じ標高。
私は声を大にして言いたい。
も:『どうしてこんな絶景で標高もあるのに百名山じゃないのよーーーーーっ!!』
ゼエゼエゼエ。
も一つ言いたい。
も:『しかもここまで来るのに、めっちゃしんどいじゃないのよーーーーっ!!』
山頂までどの登山口からもきつそうで、こんな絶景ポイントにある山なのに。
しかもその中でも、最高にしんどくて大変な仙塩尾根から登ってきたというのに。
百名山じゃないのは ひど過ぎます。
でも、百名山狙いじゃなくとも、この白峰三山を真正面に見られる絶景は
なんと言っても三峰岳だけです。
最高です。
間ノ岳からやってくる登山者さんも、見えてきました。
なのでもおすけ、皆さんが登ってくる前に ここで残ったお水で髪の毛をジャブジャブジャブ。
水はもう、少しだけ残しておけばいいので『洗える時に洗っておく。』は長期縦走の鉄則・2でございます。
(因みに鉄則・1は、テント場に着いたらどんなに疲れていても先に用事を済ましておく、です)
間ノ岳を眺むる先生。
おしりが丸く 可愛ゆうございます。
ええ、いいんです。
長いソロ縦走では、先生だけが心の支えですから。
雲はあっても青い空も見え、日差しも明るい。
小屋までは後は下るだけ、一番の見所ですからゆっくり休憩、景色を堪能。
たっぷりとこれまでの労をねぎらい、360度のんびり眺める。
ここから小屋までは1時間半。
再び歩き始めて、小屋も近くに見えてきました。
下りは楽ちん。
結局山頂で1時間近くのんびりしましたが、今日のコースタイム通り9時間50分で
15:07に熊野平小屋に到着。
テント設営。
靴下とかタオルを洗濯。
体を拭いて、髪を洗う(もう一回)。
因みに今回の縦走で、ここのお水が一番冷たくて外気温に関わらずここが一番冷え込むようです。
(昨日泊まった男性も仰っていました。)3分と水に浸けていられないほどの冷たさでした。
そして。
さぶちゃんやさんぱっちんがビールでご褒美なら、私はこれでご褒美でしょうと。
買っちゃいました。
みかん缶。
子供の頃からお汁も大好きなので、飲み干してしまいましたよ。
小屋の方もアットホームで、優しいお人柄が滲み出ている素敵な小屋です。
そして道中ずっと確かめたかったことをお願いして、実践することに。
そう。
それは『ザックの重さを量る。』こと。
体重計をお借りして、量ってみたら水なしで18.4kg。
ここに今朝のスタート時の水3L近くや行動食を足すと・・・
三日目の朝にして、まだ22kg!
22kgで約10時間。
・・・・・。
重いはずやわ・・・。
そんな荷物で、あの道をよう頑張った 自分!と思いました。
これは、その重さであの道を登った人でないとわからないでしょう。
皆さんも45歳(男性なら50歳)になってから、是非登ってみてください。
しんどさと共に、三峰岳山頂の絶景の意味がわかります。
なので?この日の夕餉は、マルタイさんの焦がしにんにく入りとんこつラーメン。
(周囲のテントの皆様、ニンニクでゴメンナサイ。)
小さな小屋と、小さなテント場。
凍るほど冷たくて甘いお水と、静かな夜。
一日中歩き倒した後の、心地よい疲れと充実感。
明日は4日目。
まだまだ縦走は続くのです。
<続く> 仙塩尾根を登る時はソロをお薦めします。色々体感できますから。
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