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女一人でテン泊大縦走9泊10日・21 大キレットから北穂へ

先日まで忙しかったお店のセール。

商品POPを書くのは、いつもワニ目てんちょのお仕事なのだけれど。

その準備中のある日、トイレから戻った私。

スタッフの皆が笑っていたので、聞いてみたところ、

 

ち:『これってもおすけの事じゃないか、ってみんなで笑ってたのー。』

 

って。

何ですか、てんちょッこのPOPは!

20131119_ こんな事POPに書いてるお店、見たことないぞ。

 

も:『で、どうしてこの部下って言うのが私限定なんですかっ!皆ひどーーいっ!』

と言っても、イデぞうもチエさんも新人・中山ちゃんまで笑っている。

ええぃ、ならばこうしてやるーーーー!

20131119_1ワニ目てんちょのPOPに勝手に落書き。

 

これを見たてんちょ、

店:『ぅわっ、おまっ、なに勝手に落書きしてんだっ!』

とか言ってましたが、気にしない気にしない(全然)。

そしてこのPOP、ほんとにセール期間中このまま貼られていましたとさ。

(時折、気付かれたお客様が笑ってらっしゃいました。)

皆様こんばんにゃ、おさるのもおすけでございます。

長かった夏休みの大縦走もそろそろ大詰め。

それでは一気に女一人でテン泊大縦走9泊10日・21 大キレットから北穂へ書き上げましょう!

頑張れワタシ、えいえいおーーーーッ!

 

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女一人でテン泊大縦走9泊10日・21 大キレットから北穂へ

2013年 8月10日 晴れ

 

核心部を無事に通過した私。

県警ヘリの爆音は、いつも心を不安にさせる。

さぶちゃん、大丈夫かな。

普通なら彼の事だから心配はないけれど、今回は10日分の重装備。

それも二日目となれば、荷物はほとんど初日と変わらぬ重さだろう。

行き違いも多いこの時期、ちょっと心配。

でも、ここで私が心配してもどうにも出来ない。

まずは、私が安全に北穂小屋まで登りきること。

そう自分に言い聞かせ、最後の登りに取りつく。

涸沢から登るルートとは違って、大キレットルートは北穂小屋の横からテラスに着く。

到着した途端、テラスで休んでいた方達から拍手されてビックリしたけど、嬉しかった。

で、ふと見るとイチさん。

西穂から来たのは一昨日で、ずっとこのテラスでまったりしていたようだった。

 

も:『イチさんっ!わーーー、会えてよかったーー!無事に着いたよー。』

イ:『おー、もおすけお疲れ~!』

ザックを置いて、ひときしり互いの報告。

私はここで楽しみにしていたカレーを注文。

130810_23前回イチさんと来た時に食べ損ねた、北穂オリジナルカレー。

 

去年、樅沢岳辺りでイチさんとさぶちゃんが再会したと聞いて、山の上で行き違いの再会に憧れていた私。

こうして無事に会えて、本当に嬉しい。

食べて飲んで(←イチさん)喋って。

それからようやく山頂に写真を撮りに行く。

何度目でしょうね、北穂山頂。

130810_24

ここまで来たら。安堵で笑顔しかありません。

 

ひとしきり寛いでから、テント設営しに行って、再びテラスに戻ってお喋り。

日影のベンチで休んでいたら、キレット側の空があんまり綺麗だったのでパチリ。

130810_27

気分は達成感一杯、サイコー!

でも。

途中、ヘリがジャンダルム方面に飛んでいく音が聞こえる。

まさか、さぶちゃんじゃないよね・・・

心配を打ち消しながらも、やっぱり心配。

15時30分過ぎてから、テント場に戻ってジャン越えして来るさぶちゃんを待つ。

16時前。

16時15分。

・・・16時30分。

早朝に出てるだろうから、渋滞があったとしても そろそろ着いていいはず。

涸沢岳方面を二人で眺めながら、さぶちゃんらしき人影を探す。

—–

16:40頃、さぶちゃんからメール。

テント場分岐にザックをデポしてテラスに居るとのこと。

イチさんと二人、駆け足でテラスに向かう。

よかったーーーーーー。

テラスには、いつものさぶちゃんの姿。

さ:『おーーーーー!イチさんっ!』

と、さぶちゃんはイチさんとの再会に大喜び(私には無反応)。

三人でのお山の乾杯は、イチさんの奢り。

イチさんがカメラマン、ハイ、ポーズ。

130810_28・・・さぶちゃん、少しは笑顔を。

この後、男子二人は山話に華を咲かせる。

二人ちょっと心配してた事を伝えると、さぶちゃんも大キレットで事故があったことを

通過する登山者から聞いたそうで

 

さ:『なぁんかヤだなぁ、まさかしろぷーが・・・なんてないよなぁ、って思った。』

と言っていた。

そう、山に絶対はない。

どんな熟練の登山者だって、うっかりミスが大事故に繋がる、それが山というものだ。

三人無事に会うことが出来て、本当によかった。

でも、流石にさぶちゃん、ちょっと疲れてる感じ。

 

も:『さぶちゃん、流石に疲れてない?』

さ:『そだね、ちょっと ヒロウコンパイしてるよ。』

イ:『さぶ、疲労困憊の意味わかってんのか? で、全然疲れてる様にも見えないぞ。』

も:『うん。ヒロウコンパイ、って平仮名で吹き出しが出てたけど。』

さ:『ひどいなー。わかってるよ、俺だってそのぐらい。』

も:『うーん、確かに疲れてるんだけど、でも知らない人が見たら疲れてる風には全然見えないよ。』

 

そうなのだ。

いっつも一緒に居る私にはわかるけど、他の人から見たら笑顔で元気で

全然疲れている様には見えないだろう。

この時、初めてわかった。

私も他の人から、こんな風に見えているんだ。

いっつも一緒に登っているさぶちゃんやさんぱちさんなら疲れている時、わかるのかもしれないが

多分、すれ違いの登山者には今日のさぶちゃんみたく、100%元気そうに映っているのだろう。

さぶちゃんを見て、目からウロコ。

そーか、私、バテてても本当に元気そうに他の人からは見えているんだ。

山を登って丸3年、初めて気が付いたことだった。

 

も:『んで、さぶちゃん。少しでも軽量化しなきゃいけないのに、どうしてこんなものぶら下げてるのさ。』

さ:『これ?これはだな・・・』

と、いつもの如く、返答に困るさぶちゃん。

さ:『こうやって監視するんだよ。』

って。

私らが あなたを監視したいわっ!

130810_29

  何故か首から双眼鏡。邪魔じゃないの??

テント場に着いて、各々夕食の準備。

ワタクシの本日の夕餉。

130810_30

本日もパスタでございます。

夕食を作って空を眺めていたら。

こんなに綺麗な夕焼け雲。

130810_31

初めて見ました、雲の影が雲に映ってるのって。

拡大して撮ってみると。

  130810_32 なんて神秘的で美しいことか。

そして次第に、積乱雲の周りには稲光が何度となく走り。

まるでラピュタの世界でした。

130810_33

 積乱雲の周りに渦巻くように雲が出来て、さらに大きくなっていく。

薄暗くなるまで、この綺麗な入道雲と稲光を眺めて。

夜の帳が落ちてから、それぞれのテントで再会を喜びながら深い眠りに就いたのでした。

—–

そういえば。

デポしたさぶちゃんのザックを取りに戻ったら。

ザックの脇には、やたら重そうなカラビナとか太いスリングまで。

 

も:『だーかーらー。危ないジャン越えで大荷物なのに、どうしてこんな無駄なものばっかり持ってくるのよ!』

さ:『これ?これはだなー・・・・・・』

またもや返答に窮したさぶちゃん、

 

さ:『こういうものを使うことがない様に、しなくちゃいけないってことだよ!』

も:『・・・・・ (‐ ‐;) だったら何で持ってくるのよ。ただでさえ重いのに。』

今回は軽量化しないとな、と言っていたさぶちゃんでしたが。

色々余計としか思えないアイテムに加え、更にこんなものまで。

 

さ:『はい、しろぷー あげる。』

も:『え?何?』

 

無造作に手渡されたそれは、私が大好きな寿がきやさんの味噌煮込みうどん。

130810_34

すごく好き。名古屋出張の時には まとめ買いしていた20代。

 

も:『何で?どうして今、これなの?』

さ:『オレ、今回の食料でこれ買ったからさ。』

 

ついで、という事なんでしょうけれど。

明日縦走が終わる私に、わざわざこれを担いでジャンダルムを越えて持ってこなくても、とは

私でなくても 誰しも思うことでしょう。

でも、そこは時々意味不明のさぶちゃん。

ありがと、と素直に私も受け取りました。

それぞれ核心を越えての再会。

明日はいよいよ上高地へ下山です。

<続く>

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