ただいま店は、大セールで大忙し(引き続き)。
その事前準備は、毎日毎日値札付け。
来る日も来る日も値札をつけて、品によっては日本サイズを手書きしたり。
そのうちの一つが、ザンバランの靴。
メーカーのcmに直した換算表をイデぞうが書き写してくれた。
その名も『なんとなくチャート』。
ヨーロパサイズをcmに換算するだけでミリ単位で差異は出るが、おおよそ0.5cm単位表記しています。
その横に、イデぞうのこんな台詞に触発され、私のいたずら書きもプラスしてみた。
この落書きがスタッフに大層気に入られ、このチャート、ずっと使ってます。
ちなみにワタクシ達、本当はちゃんと真面目に仕事しておりますのでご安心を。
(ザンバランも適当ではございません。)
皆様おぱようございます、おさるのもおすけです。
とっても大変な今回の大縦走録。
でも、縦走中にも沢山の方とお山の上で出会いがあったり、また嬉しい再会も多く。
そして驚くべきは、更新し続けている間に このブログを見て下さっての再会があって。
イヤもう自分でもビックリです。
雲ノ平ですれ違ったKさんや、三年前の私の初めての縦走・屋久島四日間で出会った ぶっちーくん。
私のブログをよくぞ見つけて下さいました!という感謝の気持ちで一杯でございます。
嬉しいなぁ。
ずっとずっと書き続けていて、本当によかったなぁ。
私ってばシアワセものだなぁ。
と思わずにはいられません。
皆様、本当にこんな拙いブログを読んで下さって、ありがとうございます。
嗚呼、これでまた書き続けなければという思いが。
そして早く書き上げねばという焦りが。
ようやく核心部・大荷物を背負っての大キレット越えでございます。
女一人でテン泊大縦走9泊10日・20 核心の大キレット越え
2013年 8月11日 晴れ
去年とは明らかに違う心境で、目が覚める。
去年は緊張してほとんど眠れなかったが、今年は眠れた。
アルファ米とお味噌汁の朝食を済ませ、パッキング。
そして今回、初めてリッジレストを外付けでなく中に入れる。
お:『40Lのザックに収められないなら、キレット行くな。』
去年のおやびんの言葉だ。
リスクを減らす為にも、ザックは左右共に最小限にまでコンプレッション。
下りの時に重さが頭上から来るから、高さも出来るだけ抑える。
そして何よりこのシュラフマットの外付けが、一番危ない。
縦走前から、この大キレット通過で一番のネックとなるとわかっていたので
散々悩んだ挙句、今回新しく122cmのリッジレストを購入したのだ。
長さが足りない分は、空のザックを足元に敷いて寝る人が多いとか。
でも、雨でザックが濡れていたら足元が冷えるし、残雪の涸沢でトシくんが
シュラフマットをテントから引っ張り出して外に座っているのを見た時、いいなと思った。
だから、お座布団用に別に厚手の銀マットをカットして寝る時はそれを足元に敷こう。
・・・・・もおすけナイス。
大発明だ。
ってことで、122cmのリッジレストとお座布団マット両方をインする。
アタシってば完璧。
手際良くテントも撤収して、いざ出発。
隣のテントだった、お兄さん&上司!?のおじさんコンビもほぼ同時刻で出発。
下りに差し掛かる頃には、前にソロのお兄さん。
途中、カメラを頼んだり頼まれたり。
とにかく登りより下り。
私はザックを引っ掛けたり、つんのめって落ちるのが一番やりそうな事。
大抵やりそうだなって事は、実際やってしまう期待に応えるタイプなのだが
ここは応えるわけにはいかない。
慎重に降りつつ、来た道を振り返る。
そんな一枚。
結構降りてきたけど、まだまだこれから。
それでもザックはやっぱり大きくて。
バランスは取りにくく、腕にかかる重さもクライミングとはまた別もの。
何せバランスが・・・
とか言いつつ、
ピース。
下ってくると、山の上部だけにガスがかかっているのがわかる。
北穂もガスの中。
ここからぐぃーんって登って行きます。
今回も前回と同じく、天候は穏やかで無風。
本当に助かります。
この大荷物で風にあおられたら、怖くって飛騨泣きなんて大泣きだ。
そんなことを思いながら、南岳方面を仰ぎ見る。
こっちのガスは晴れてきました。
当たり前?なのかもしれないが、ここを大型ザックで越えているソロの女性は誰もいなかった。
山岳会のパーティや大学のワンゲル系。
極たまにカップルやご夫婦。
きっと私みたいな荷物で通過する女性は、全体の1~2%くらいなのかな。
テント場での宿泊者やすれ違う人達を見ていて思う。
確かに荷物が大きければ危険は伴う。とにかくバランスが取りにくいのだ。
普段ならそのまま前から降りるところも、いちいちバックステップで降りる。
時間もかかる。でも、慎重第一。だって、まだまだこれだもの。
まだまだぐぃーーんと。
下って下って、一息ついて。
風も出てきて、北穂の小屋が見えてきました。
今日のゴールが見えると、ちょっと嬉しい。
でも、これから飛騨泣きとか怖いとことか。
まだまだ油断ならないのよねー。
後ろを振り返っても青空が澄み渡り、最高のキレット越え日和。
頑張れるじゃあありませんか。
更に進んで振り返ると、お兄さんコンビも後から。
この稜線って絵になるね。
時間と共にすれ違う人も増えてくる。
予め見越して、安全な場所で待機。
それにしてもなんてトコだ。
そして飛騨泣きの鉄板。
これって鉄板と鎖がなかったら、すんごい渡りにくいんだろうなぁ。
緊張しながら通過。
でも。
一番怖かったのはこのちょっと先。
上高地側から飛騨側に乗っ越すところ。
この高度でまたがるように飛騨側に体を移動するが、足元が見えない。
腕でしっかり体重を支えるも、荷物の重さは腕にかかるし、重いから足元を覗くこともできない。
ワタクシ、生まれて初めて岩の上で『うぇ~ん。』って言いました。
そしたらずっと前を歩いてくださっていたバルトロのお兄さん。
危なっかしい私が心配で、放っておけなかったのでしょう。
私がその岩場で腕をプルプルさせながら、足場を探していたら
ザックの後ろに手を回してくださいました。
実際、もし私が落ちたとしてザックを掴んだ所で助かる事はないでしょう。
(荷物と併せて70kg近いわけだし。)
でも、その優しさが嬉しくて頑張れました。
何とか通過。
ホッ。
あーーーーーーーーーーーーーーー、怖かったーーーーーーーーーー!!
もう、なんでこんな怖い事してるのよーーーーーッ私。
感謝と恐怖と安堵感とでぐちゃぐちゃな思考で、この先も通過。
あんまり色々な思考だったものだから、長谷川ピークを通過した事にも気付かなかったほど。
あんなに大きくHピークって書いてあるはずなのに。
そしてA沢のコルで小休止をして、いよいよ登り。
やっぱり登りになると、今度は腕に体重がかかる。
正確に言えば、ザックの重さがかかる。
高校のスポーツテストで握力は右・11kg、左8kgという数字を叩き出し、先生に
『ふざけてんのか!』と言われた程だ(もちろんワタクシ大真面目)。
そんな非力な握力の私に、このザックの重さを支えつつ、梯子だ鎖だと山は試練を与えて下さる。
何故、この大キレットを今回の大縦走コースに入れたか。
それは『頑張れた事を、自信の核にする』事に他ならない。
とにかく高所恐怖症で、さびしん坊で色々ヨワイ私だけれど、
『あの時だって、あんなに頑張れたんだから。』
と、自分を鼓舞する為だけに登っている、といっても過言ではない。
そのくせ、実際目の当たりにすると『何でこんなとこ来ちゃったんだよーー、ワタシのバカバカ。』
と本気で思っている。
・・・・・ややこしいヤツだ。
そんなこんなで、ようやく安定した登りに。
どんどん晴れてきましたよ。
ここまで上がってくると、大キレットの全貌と遥か槍ヶ岳も望めます。
あともう少し。
この辺りで、県警のレスキューヘリが大キレットに向かって飛んできた。
救助かな。
その時、丁度今、西穂からジャンダルムを超えて奥穂~涸沢岳~北穂まで向かって来ている
さぶちゃんのことを思い出す。
彼も私と同じく10日間縦走の装備。
そして二日目の大荷物にしてジャン越え。
さぶちゃん、大丈夫かな。
無事を心で祈りながら、北穂小屋を目指して更に登る。
<続く>
コメント
ワクワク、ドキドキしながら読みました。
なるほど。
ザックが濡れていると、足がぬれる。
なので、座布団用マット。
真似させて頂きます・・・。
キレットに行くためにザックを新調。
さすが、”慎重”ですね。
それぐらいしないと行けませんよね。
「ここを大型ザックで越えているソロの女性は誰もいなかった。」
まぁ、そうでしょう。
やっぱり、お兄さんたちを抜いて先に行っているじゃあーりませんか。
さすが超合○?(失礼しました)
「もう、なんでこんな怖いことしてるのよーーーーー私。」
もうすけさんがこんな言葉を発するとは。
よほど怖かったんですな。
(私には行けません)
『あの時だって、あんなに頑張れたんだから。』
その通りです。
あれ、途中で終わってしもた。
その後も楽しみです。
・・・みなさん、ヘルメットをかぶっているようですが・・・
tatomoさんへ
ハイ、座布団マットはお薦めです。
183cmのレギュラーマットより嵩張らないですし、いざとなればザックにインできる。
残雪期なら濡れたザックは、下に敷くとかなり冷えますからね。
ザックはグレゴリーのショルダーがなで肩の私にはどうしてもあわなかったので。
ほかは最高だったのですが。
そう、本当に大キレットにテン泊装備のソロの女性はいなかった。
一人ぐらいいるかと思ったんですけどね。
でも、個人的にもあそこはテン泊装備で行くのはお勧めしません。
リスクが増しますから。
あの時だって頑張れたんだから。
いつでもまた大きな波が来た時に乗り越えられるよう、鍛えているような気がします(特に精神面)。
さらりと乗り越える。
そういう自分になりたいものです。
(実際には、大騒ぎでキレットも越えてましたが。)